せっかく病気になったのだから

子宮頸がんと告知されてから、治療の日々を綴ります。

最初の入院と告知

 最初の入院は、はじめに病院に行ったその日でした。

近所の婦人科で診察を受けて、出血の多さから、その足で大学病院に行くように言われました。「とにかく血を止めないと、出血多量で危ないですよ!」と先生に言われて、そのときはじめて、自分の顔色の悪さに気づきました。

 

大学病院で診てもらうときには、一件目の婦人科の先生の応急処置のおかげでだいぶ出血が収まっていたようで、多少中を見ることができたようでした。

けれど、もう、診療が痛くて痛くて。何が痛いのかはさっぱりわからないけれど、とにかく痛くて。

その時にはすでに、がん細胞が崩れて落ちているところがあったようで、先生はそれを採取して、検査に回していました。

そのあとに、出血を止めるための薬を塗られて、中にいっぱい止血用のガーゼを詰められて。出血を止める薬というのは、塗り薬で、かさぶたのようなものをつくる薬だと説明されました。「ちょっとしみますよ」なんて言われましたが、そんなものはどうってことないぐらいに、診察で触られるのが痛くて痛くて。

けれど、止血をされて少しすると、体がぽかぽかと温かくなってきてちょっと安心したのを覚えています。

治療後に先生にはそのまま入院するように言われたので、いったん荷物を取りに行き、そのまま入院することになりました。

「やっぱり大変なことになっちゃったなー」なんて思いながら、入院って何が必要なんだろう?長引いちゃったら猫のお世話はどうしよう?お金、いくらぐらいかかるんだろう?明日、事務所に電話して休むって言わないとな~。

そんなことを思いながら、漠然とした不安に涙が出ました。

 

翌朝になって、改めて診察。

痛い…。ガーゼを抜き取られて、なんとか出血は止まっているようでした。

朝食の後、他の先生に今一度診察を受けました。きっとたぶん、婦人科の科長の先生なんでしょうね。癌であることを確認するための診察だったんだと思います。

その先生が膣内の細胞を採取して、これがまた…。すっごく痛い。すっごく。

健常な状態だったらきっと痛くないんでしょうね。

痛くてうめき声をあげると、先生が気を使って「すいませんね。痛いですね」なんて言ってくれるもんだから、私もなんだかわからないけど、診察してもらっているお礼を言わないといけない気がして「いえ。ありがとうございます」なんて答えちゃったりして。そんなやりとりを2、3回しているうちに診察が終わりました。

 

そのあと、相談室に呼ばれて。

診察をしてくれた先生から「子宮頚部に腫瘍があります。」「ガンです」「腫瘍の大きさは4cm」と告げられました。

想像していた通りだったので、私自身はそれほど驚きはしませんでした。

ただ、4cmの腫瘍が大きいのかどうかが私にはわからなくて、けれど、告知する先生の目が怖いくらいに真剣で。なんだか、ものすごい大変なことなんだろうって思って、それが不安を掻き立てた。

病室に戻ると、なんだかまた、涙があふれた。

誰に言うべきだろうか。

考えて、彼に入院したことを伝えた。彼が来る夕方までの間、ガンであることを伝えるかどうかずっと迷いつづけた。