せっかく病気になったのだから

子宮頸がんと告知されてから、治療の日々を綴ります。

検査と不安

ガンと宣告された翌日。

血液検査を受ける。腫瘍マーカーはもちろん反応が出ている。

腎臓の数値もちょっと悪めだった。

MIRとPET検査まで1週間ほどあったから、自宅に帰れることになった。

 

やらなければいけないことがたくさんあった。

●高額医療認定書を発行してもらったり、傷病手当金をもらったりする準備

●仕事の引継ぎと片付け

●引っ越しの準備

●治療先の病院探しと両親への連絡

これからどうなるのかなっていう不安と、やらないといけないことがたくさんあることの焦りとで、たぶん、この時期がいちばん不安定だったと思う。

 

PET検査とMRIが終わった日の夜

先生から電話があった。「CT検査もやりましょう」と。先生は「より詳しく病状がわかるので」と言っていたけれど私はとても不安になった。

CTは造影剤を使うから、ぜんそく持ちの私には、副作用のリスクがあるからやめておきましょうと以前言っていたからだ。

それをわざわざ「やりましょう」って言うってことは、ちょっと良くないんだろうな…と。

特にCTは、骨とかの水分のない場所を詳しく見るらしいから、現時点で「骨盤への転移」が疑わしい状態なんだろうと推測して。

骨盤に転移してたら、ステージⅢかぁ。

Ⅱぐらいだったらまだいいけど、Ⅲはきついなぁ…なんて思って。

 

仕事はほとんど休んでいたけれど、職場の友人が、みんなに言っておいた方が良いというので、私からはあまり言わなかったけれど、友人に口止めはしなかった。

必要ならば言ってもいいよと。

みんな心配をしてくれたけれど、実際のところ私にはそれがうっとおしかった。

鬱陶しい…という言い方は良くないね。

引っ越しの準備や手配、片付け、よくわからない医療システムへの理解やお金のこととか、保険のこととか、わからないことだらけで、心配事とかも沢山あって、とても疲弊していたんだ。

様子を見に来てくれたり、食事でもしようと誘われるのも、正直ちょっとしんどかった。

 

ましてや、自分でもよくわかっていない病状や進行具合、今後の治療内容やスケジュールのことなんかを聞かれるのはとても負担だった。

「早く治療したほうがええんちゃうの?」「即、手術ちゃうの?」「どのぐらいのステージなん?」言われるたびに、「私の方が知りたいわ!!」と叫んでやりたかった。

なによりも「早く見つかってよかったね」とか「子宮とったら大丈夫なんでしょ」みたいな事を言う人もいて。いやいや、何言ってんの。早いかどうかはお前わかんねぇだろ?とか手術したら、子宮以外のものもいろいろとられちゃうんだよ…とか思って、言っている本人には全く悪気がないのはわかっていても、それはすごく嫌だった。

 

だからね、これ、読んでくれた人には言いたい。

内診から検査結果がわかるまでの間って、ものすごく不安なの。右も左もわからない中で、いろんな悪いことも考えちゃうし。だけど、体調が悪い中、長期の治療に向けてやらないといけないことがたくさんあって。

だから、この時期は、本当にそっとしておいてほしい。

ガンになった人にとってこの時期は、死と向き合っていろんな覚悟を決める大事な時期なんだろうと思う。

私は、自分のガンがたぶん早期ではないことはわかっていたし、進行がんで手術になったら、色んな後遺症が残るってことはわかっていたから。漠然と、元の生活には戻れないんだろうなって思っていて、そうゆう覚悟を決めたんだ。