せっかく病気になったのだから

子宮頸がんと告知されてから、治療の日々を綴ります。

パートナーの気持ち

ここ数日途絶えていた彼からのメール。

そこには、引っ越しの前日と前々日に、素っ気ない態度をとって私に悲しそうな顔写真させたことを謝る言葉が綴られていた。

 

私はふと、引っ越しの車のなかで彼と話したことを思い出した。

 

「子宮頸がんって、性感染なんだって?」

彼のその言葉に、私は彼が何を知りたがっているのかを考えて、答えた。

「子宮頸がんて、感染してからガンになるまでは5年とか10年とかかかるんだって。10年前って言ったら、離婚の前後だ。色々と疲れていて免疫力も落ちていたかもね。

あなたのせいではないよ。前の夫かもしれないし、他の付き合った人かもしれない。

けど、そんなことは追究するのは無意味だと思ってる。

そんなありふれた菌で多くの人はガンにならないんだから。私の免疫力がなかった。それだけの話だと思ってる。」

 

それから、彼は「そうか」と言って、それ以上は聞いてこなかった。

その時私は、彼が、自分がうつしたのか気にかけていると思ったから。

 

もちろん、それもあるだろうけど、今思えば彼は、ずっと複雑な気分だったのだろう。私と彼は付き合って六年ほど。浮気を疑ったとか、過去の男性関係を考えたとか…

それが、引っ越しの前、数日の態度に現れていたのかなって。

私は、普通に生きてきて、恋愛だって結婚だって、もちろん離婚も、いつだって本気で生きてきたから、子宮頸がんになっても別に後ろ暗いことはなかった。でも、この病気について一定の偏見をもつ人がいるのはおかしいとは思わない。

 

彼も葛藤があっただろう。

それでも、私を東京まで送り届けてくれて、会いに来ると言ってくれたのだと思う。

 

色々あるけど、本当のところ、男性の感染リスクってどうなんだろうか?

私はそのときは、男の人は、感染してもそれほどリスクがないものだろうし、健康体なら、排出されるものだからと、彼のことはあまり気にしていなかった。

 

だけど、もし、私が彼にうつしてしまっていたら?

今まであまり、考えていなかったけど、知っておかなければいけない事なんだろう。